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ホーム > 環境・みどり全般 > 環境みどり特集No.28≪トレイルランニング大会と自然保護≫(H29/10/26)

トレイルランニング大会と自然保護

◆トレイルランニングとは
 トレイルランニング(英: Trail running)とは、陸上競技の中長距離走の一種で、舗装路以外の山野を走るものを指し、略してトレランやトレイルランなどと呼ばれています。競技場所の地形やコース、標高、距離などにより、呼称が細分化されています。
 日本での主なトレラン大会は、「上州武尊山スカビュー・ウルトラトレイル大会(「山田昇メモリアルカップ、会場:群馬県川場村 )」や「ハセツネ(長谷川恒男)カップ日本山岳耐久レース(会場:東京都奥多摩町)」などで、多くの自治体やNPO法人や、事業者が実行委員会となって開催されています。

◆埼玉県内のトレランについて
 埼玉県では、県内の丘陵地帯や奥武蔵自然公園などのハイキングコースで年間20回程度開催されており(試走会を含める)、参加費は7,000円から25,000円、参加人数は1大会300名から1,300名です。このほか大手鉄道会社主催で、指定コースを自由に歩くハイキング距離(約48Km、7,000名参加)も年に1回開催されています。
 これらの大会が開催されるコース(登山道)には、国が指定し、埼玉県が管理している「関東ふれあいの道」 が13コースあり、奥武蔵山域には週末や休日に多くの一般ハイカー、登山者が訪れます。主稜線は急峻で、登山道の道幅が狭く、そのため、すれ違いや追い越しには危険を伴います。また、稜線上にトイレもない状況にあっては、多くの競技者が参加し競争する場には適していないと思われます。

◆最近開催されたトレランの見聞記
 次の写真は、最近埼玉県内で開催されたトレラン大会時のコース(登山道)の状況を示したものです。
  ※下写真はトレラン大会開催時に現地を確認したT氏の提供によるものです。

◇定峰峠:早朝
つぼみを膨らませていたヤマユリの群落。
◇定峰峠:競技者通過前≫

スタッフが 刈り払ったと思われるヤマユリ。
赤枠分、明らかに刃物で切断したと判断できる。(※クリックで画面が大きくなります)
◇定峰峠:競技者通過前

刈り払いをしたと確認できたのは4本ほど。
◇白石峠:競技者通過前

土嚢によって修復された階段。
◇大野峠:先頭グループと遭遇

脇が副トレイル化で大きく植生が荒廃しているエリアと、駆け下るランナー 。
◇川木沢ノ頭巻き道の桟道

次々に来るランナー足元には花芽をつけたレンゲショウマ…保護がされてないのはこの辺りのみ。
◇白石峠、復路で再び階段を上る

階段は整備されているが新たに堀り込まれた階段脇トレイル。
◇大野峠:先頭グループと遭遇

この一角だけになったイチヤクソウ。
開催者が雨天時に選手誘導に掲示した誘導(案内)看板。既設指導標の上に設置?
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◆自然保護意識の向上と対策↓↓
 こうした現状を見ると、トレランを開催する団体(会社)は山の安全や自然保護を軽視しているとしか思われてなりません。
 トレラン開催により新たなトレースや堀が発生し、それが原因となって集中豪雨などにより思わぬ大きな災害(土石流)も発生しかねません。その場合、誰が被害の補償や責任を取るのでしょうか。災害を防ぐためにも、トレラン開催者は、競技者にも、より一層の自然の大切さ・自然保護意識の向上を求めたいと思います。また、トレラン競技者は一般のハイカーや登山者に対して敬意を表し、安全に細心の注意を払うなど、常に気配りをしなくてはならないと思います。
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 一度失われた自然や自生している動植物は、自力で元に戻るのはほぼ不可能です。そのため、関係省庁や各都道府県は、絶滅危惧種など稀少な動植物を指定して保護をするように努めているのではないでしょうか。
 トレランを開催することによって、開催地の自治体(市町村) は経済的利益や恩恵を受けるのでしょうが、それは一時的なものに過ぎません。自然保護を犠牲にしてまで、トレラン競技を開催する必要があるとは思えません。たとえ百歩譲ったとしても、最低条件として自然公園内でのトレラン大会等の開催については届出制にし、県が主体となって協議の場を設け、主催者間でコース、回数、日時などの調整を図るといった、何らかの対策を検討してもらえればと思います。
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《文責》
アルパインクラブ戸田(戸田山の会)岩崎 繁夫
http://genki365.net/gnkt01/mypage/index.php?gid=G0000124
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《掲載》
TOMATOホームページ事務局
 校正:M.Y/編集S.Y(2017/10/26)
 
 
情報掲載日:2017/10/27
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