環境シンポジウム千葉会議
                         

環境シンポジウム2014千葉会議 発表3

「地球温暖化問題とは」
          地球化学研究協会専務理事   鷺 猛氏

               2014年11月16日13時〜13時30分


(下は。鷺先生の当日写真がうまく撮れてなかったため、2014年9月11日の講演会の時のものです)

 
   

観測された世界平均地上気温
(1850〜2012)

1 地球の温暖化
最近の30年間は、観測開始以来の高温を更新し続け、全体で0.85℃程度上昇した。気候は変化し、寒い日が減少、暑い日の日数が増加し、熱波の頻度が増加 ている。降水量は増加傾向、強い降水現象の頻度が増加傾向にある。
表層水温平年差の推移(700m以浅)

海面から700m深までの表層水温も上昇傾向にあり、
1990年代半ばから2000年代初めにかけては、特に
大きな昇温が見られる。
西暦0年〜2005年までの主な温室効果ガスの大気中の濃度変化

2 温室効果ガスの増加
温室効果ガスである二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素の大気中濃度は、1750年以降全てが増加している。これは、化石燃料の燃焼およびセメントの生産に加えて、森林伐採・その他の土地利用などの人間活動に起因している。
表面海水中二酸化炭素濃度

北西太平洋(東経137度線上の平均)における冬季の二酸化炭素濃度は、 表面海水中では1.6 ppm/年、大気中では1.8 ppm/年の割合で増加している。2014年冬季の北西太平洋の表面海水中と大気中の二酸化炭素濃度は、それぞれ360 ppm, 400 ppmで、過去最高となった。
観測船

3 海洋の酸性化

北西太平洋の東経137度線上の冬季(1〜2月)の表面海水中の水素イオン濃度指数(pH)は、10年あたり0.015〜0.018程度の割合で低下しており、海洋の酸性化が進行している。
(海水には様々な塩類が溶けているため、海水のpHは弱アルカリ性を示し、二酸化炭素を溶かすことになり、より酸性側になるという意味であり、pHが7以下の酸性になるということではない)
表面海水のpH低下と水温の上昇が進行すると、大気から海洋へ二酸化炭素が吸収される能力が低下すると指摘されている。また、海洋生態系への影響も懸念される。

4 海洋の温暖化と海面水位の上昇

世界平均海洋表層(700 m以浅)の貯熱量は1971〜2010年の40年間に17×1022 J増加した。
増加量の60%以上が700 m以浅の海洋表層に、約30%が700 m以深の深層に蓄積されていると考えられている。

世界平均海面水位は、1900〜2010年の110年間に190 mm程度上昇している。温暖化による氷河の質量損失、海洋の熱膨張、陸域の貯水量の変化などが寄与している。
IPCC第5次報告書(2013)
5 複数の気候モデルによる世界平均地上気温変化のシミュレーション

地球の温暖化を抑制するには、温室効果ガスの排出量を大幅に、且つ持続的に削減する必要がある。対策を徹底した場合の緩和型シナリオ・中程度の安定化シナリオ・高い排出量のシナリオについて2100年までの気温変化の時系列が複数のモデルによって計算されている。
気温上昇率は2100年には、緩和型シナリオでは0.7〜1.7℃、安定化シナリオでは1.4〜3.1℃、高い排出量では2.6〜4.8℃の範囲に入る可能性が高い。IPCC第5報告書(2013)

(赤い方は39か国、緩和型の青い方は32か国)
6 複数の気候モデルによる海面水位上昇の予測

海面水位の上昇率は2100年には、緩和型シナリオでは26〜55 cm、安定化シナリオでは33〜63 cm、高い排出量では45〜82 cmの範囲に入る可能性が高い。30〜55%を熱膨張が占め、氷河による上昇は15〜35%であろうと予測している。
7 地質学的年代(4回の氷河期)における気温の復元

南極氷床コアー(地下3200m)に含まれる気泡中の酸素同位体(酸素18:中性子が2個多い)から45万年前に遡って過去気温が復元されている。最終間氷期(12万9千年〜11万6千年前)の気温は平均で2℃高く海面水位は現在より少なくとも5 m高く10 mを超えてはいなかった。IPCCは地球の軌道要素が現在と異なることに起因するとしている。また、南極氷床コアーに含まれる気泡中の二酸化炭素およびメタンの解析でも現在のような高濃度は見出されていない。
(今はずれがないのに気温が上がっている)
結論

二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素は前例のない水準にまで増加しており、対策の急務に変わりはない。

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