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ホーム > 高齢者全般 > 高齢者特集No.3 『高齢者の“思い出作り”』

 平成19年3月29日に“高齢者の健康作りと生きがい作りの会”では「思い出作り」とし、80歳代の三人の女性参加で戸田市全域を廃食油利用の車で案内をした。

 この企画はKさんの言葉が私の脳裏に焼きついているからだ。Kさんがバスで山に高齢者の方をお誘いした時、参加した方が「楽しかった。又企画したら呼んで。」と言われた。そして「それまで頑張るから」・・・この言葉である。「それまで頑張るから」この言葉から「思い出作り」参加者三人の女性を注意深く意識してきた。

 家族の方々に誤解を受けるかも知れないので、『Aさん』、『Bさん』、『Cさん』とし、紹介したい。

 Aさんのお子さんは私より二つ年上とAさんより聞く。この歳の差も重要な気がする・・・肉親は感情が入り込み、甘え、過去の印象が、思い込みとし意識に入り込み、色眼鏡で見てしまい勝ちである。簡単には私の母親が三人いる感じ、想像頂きたい。

 『Aさん』はお子さん夫妻、お孫さん夫妻と、ひ孫さんと4世代で暮らして居られる。 
 『Bさん』はAさんのお近くに娘さんご夫妻と一緒にお暮らしである。ご主人が亡くなられ長く一人で生活をされていたが、高齢の為に娘さんが心配し同居を勧めたようだ。 
 『Cさん』は息子さんご夫妻とご一緒に暮らしているが、一階に一人暮らし。

 同じ年代の女性が微妙な間隔で生活をされているのである。同じ部分も有るが無い部分がある。いわゆる師であったり弟子で有ったりする。一方的な力の関係では長く良好な関係が続かないのではないか。今、結論は出せないがほぼ間違いないように思う。2500年前に仏さまは生・老・病・死と、人間が向き合う悟りの境涯を解いた。私は無論悟る事は出来ないが、老いる事はさように難解であろう。しかしこのご婦人達と一緒しながら老いを身近に感じ、向き合い方を学んでいる自分がいる。

 Aさんが手の皮膚を摘み、「以前はすぐかえったんだよ」と皮膚の老化を話す。寂しさはもう顔からは感じ取れない。孫が「教えるおばちゃん」と言うと。この意味が始め理解出来なかった。ひ孫には親が居て親が色々教える。足らない部分をお祖父さん、おばちゃんが教える。結果、Aさんはひ孫が覚えた事を聞く番になる。

 又、身体の事では「70歳代と80歳代は違うよ」と話す。80歳代に入り身体が鉛のように重いと70歳代を懐かしがる。
 又、自宅では家族が各々携帯電話で話しをし、何が決められ何時何が起きるか直前まで解らない。Bさんはすぐ忘れると言い、娘が何か言うと解らないと答えると語る。
 オール券の話をしたが、以前頂いたのは「はー、何処にやったかしら」。それでAさんと私で「仏壇の引き出しに入れて」とアドバイスをしておいた。「この思い出作り」では確り持ってきた。

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 福島に旅行へ誘った時の事、腰が痛くて参加しなかった。Aさんによると「腰が痛い」と娘さんに愚痴を言ったようである。娘さんは「腰が痛いんだから寝てなさい」と言ったと聞く。人間は自分中心である。他人の痛みが解らない。又プライドの動物ではないか。子供から死ぬまで誉めて欲しいのではないか。この関係を重要ししたのは、井戸端会議を避ける事だ。発言した事はストレス解消であり、家族には十分感謝し満足しているのである。しかし発言が人を介し家族の誰かが聞く事になると家族の誰かが批判されているように感じてしまう。誰でもが批判される事が嫌である。自らを正当化したり、誉めて欲しいと感じたら行動を起こす。これが問題を複雑にしてしまう。

 Bさんに対し娘さんが「腰が痛いなら寝てなさい」ほぼ多くの人は同じように対応すると思うが、私はこの頃違うと思うのである。オリンピック経験者のSさんから体操を通し、話を聞く機会が思い出される。「私のお祖父さんを介護施設に預けた。車椅子を使う状態。少し手間が掛かったが、施設から自宅に戻し、お祖父さんが出来る事から、自ら動くように手を貸し見守った。その結果今までは車椅子が欠かせない状態が、手を貸すと歩けるようになったと」話された。

 昨年ミニ・デイホーム「元気さんち」を訪問し責任者から聞いた話も印象深い。
 面倒を見る方はエプロンをされている。そして反対側にホームに来る方は普段着姿である。80歳以上と思われる年配の責任者が「エプロンを取り反対側に座れば解りません」と言う言葉が何故か自分を納得させる。生きる上で重要な要素ではないか。慈悲の心では無いかと思えてならない。ボランティアの行為が、仏が教える布施の重要性と同じではないか。

 NHKの番組で今実験中と、人間の脳について取材をしていた。前頭葉は相手を想いあう事で活性化される。言い換えると自らの事のみ思う事では脳が活動しないのである。今言える事は1日に身体の痛みや内臓の変調がある時がある。しかし1日中では無い、必ず良好な時もある。その時勇気を持って起き上がり身体を動かす事ではないかと考える。先に希望を持つ事で頑張れる。痛みや耐えられる苦痛は我慢し動く事ではないか。この気持ちが大切で、行動する事で1日1日の四季や草花・景色の移り代わりを新鮮に受け止め感動するのも老化を遅らせるのではないか。
 そこで三人の方々は各々の足らない部分を補い合い、普通の方々以上の事をされる。そして楽しかったと言われる。感謝をしているのである。この行動が老化を遅らせていると私は信じている。

  Bさんの娘さんがAさんに聞いたと言われた。その内容は「内の母は忘れると言うが」・・・どうですか。Aさんと比較しての発言である。Aさんは「良いんじゃない、他には同じ歳で寝たきりの人が多いんだから」娘さんは黙ると言っていた。私はAさん、Bさんを比較し身体の軽快さはBさんの方がかなり上に思える。

 老化は徐々にやってくるものである。又当然個人差がある。この思い出作りのアルバムを見、「また行きたいわ」と日々の痛みや、苦痛に耐え、歩いたり、運動したりし老化防止に努力して欲しい。それが「ぴんぴんコロリ」の極意ではないか、解らないが挑戦して行きたい。


【文責: 水内 啓之(高齢者の健康作りと生きがい作りの会 代表)】

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※写真は思い出アルバム『平成19年 三人の思い出作り〜戸田ってこんなに変わったの』より一部掲載しました。上から順に仝妖張棔璽肇魁璽后↓¬顕寺、笹目川、ぅぅ織螢▲鵑里店、イ気ら川にて。
 
情報掲載日:2007/08/14
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