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ホーム > 防犯・防災全般 > 防犯防災特集No.10 平成30年8月「フクシマ3.11被災地研修と母畑温泉の旅の報告」後編(H30.12.27)

「フクシマ3.11被災地研修と母畑温泉の旅の報告」〜後編〜 
☆前編はこちら⇒ https://genki365.net/gnkt01/pub/sheet.php?id=137554

 一時帰宅はその年の夏にあり、バスが用意されたが、貴重品は膝の上に袋一つしか持ち出せなかった。何を持ち出すか。弟は位牌を持ち出した。家の中のお金は盗まれていた。最初の帰宅は、白い防護服を着て、ドキドキしながら家に入った。除染が終わってからは家に行けるようになったが、それでも時間は9時から16時までで、それ以外は入れない。
 遠くに見えるピカピカ光る塔は、富岡町と隣の楢葉町にまたいで建っているタービン建屋。原子炉建屋は常に冷やさなければならない。第一原発の原子炉は地震で大きく揺れて緊急停止し、非常用電源に切り替えて冷やし続けたが、1時間後に津波が押し寄せた。地下にあった非常用電源は津波に流されてしまった。動いていた電源も止まり、高温になって水蒸気爆発を起こした。

 富岡町の第二原発は、全国から機材を自衛隊ヘリや輸送機で運び、電線を繋いだり、機材を一部替えたりすることができ、助かった。ここで作られた電気は東京に行っている。
 震災前は放射線量が1ミリシーベルトを超えたら大変なことだった。事故後は20ミリシーベルトを超えたので、とんでもない線量となった。原発側は、安全に気を使っていたと言うが、これまでの苦労は一体何だったのか。第一原発はマニュアルどおりにいかない。核燃料が溶けているのでロボットが動いている。
 第一原発は全体を冷やす。トリチウムは水と同じ成分で、トリチウムが混じった地下水を保管したタンクが第一原発の敷地内に置ききれなくなっている。除染だけでは、安心はゼロにはならない。低い数値なので戻っていいと言うが、安全は安心につながらないのがこの地域、第一原発の状況である。
 子供さんやお孫さんのいる家庭はここに戻ってこない。仕事があって時給も高く、東京並みの給料で暮らせる所なのに。白い大きな建物、そこには除染の黒い袋が山ほど入っている。燃やせるものは焼却炉で燃やし、灰にしている。
海のそばは放射線量が低い。津波に遭った集落は二つだが、ここに大きなホテルがあったことで後ろの建物には影響がなかった。10年くらい経つと除染が終わるという。

 富岡駅は昨年10月にオープン。新しい駅を近くで見ても何も感じない。昨年までは住める場所ではなく、町民のいない所で建物も新しくなった。700人くらいの町民が受け入れられただろうか。しかし、私の知っている富岡ではない。元に戻るとは思ってはいないが、外から来て、一緒に新しい街を作ってもらえたらいいな、と思う。
 富岡にも小学生、中学生、高校生を合わせると生徒は1,400人ほどいたが、今は小、中、合わせて18人しかいない。今、警備会社が町内の見回りを兼ねて新聞配達をしている。家の取り壊しは放射線の高いところ。道路はそのままで、70頭もの牛が汚染地域で生かされているそうだ。(バス走行中に見ることができた。)
 バスが走る道路を境に、住んでいい所、駄目な所が左右に分かれていて、駄目な所は汚染地域で立ち入り禁止となっている。有名な桜並木があるが、その9割が汚染地域にある。今日見たのは震災から8年の姿。新しい街づくりをしていかなければならないので、復興という言葉は使いたくない。サクラがきれいに咲くので見に来てほしい。ツツジが町の花。ソーラーパネルはいいが、悲しいのはそこが田んぼだったこと。(「応援するには何をすればよいか」と聞くと)富岡町のホテルの利用やお米の購入はうれしい。ネット発信すれば協力できる、ワインづくりもする。

 語り部の仲山さんは、時間ギリギリまで当時の状況など、張りのあるハキハキした声で真剣に話され、我々に強烈な印象を与えてくれました。
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【文責:≪福祉で防災ネットワーク≫ 豊島】
 ・ホームページ⇒ http://genki365.net/gnkt01/mypage/index.php?gid=G0000082
 ・前編⇒ https://genki365.net/gnkt01/pub/sheet.php?id=137554
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掲載:TOMATOホームページ事務局(校正M.Y/編集S.Y 2018/12/27)
 
情報掲載日:2019/01/23
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