特定非営利活動法人 東京市民後見サポートセンター

認知症の叔母を訪ねて

 先日、84歳になる叔母を施設に見舞いました。昨年卒寿を迎えた叔父に付き添われ、「ほら○○ちゃんだよ、わかるだろ〜」と声を掛ける叔父に「わかってるわよ」と応え時折笑顔を見せてくれる叔母は、こころなしか一時より少しふっくらとして、穏やかな日々を過ごしているのだろな〜とホッとするものがありました。
 女6人男1人の7人兄弟の長女に生まれた叔母は幼い頃からしっかり者で妹弟の面倒をよくみてきたそうです。長じて婿養子を迎え家業を継ぎ二人の子を成し…誠実に懸命に人生を歩んで来られた方です。早くに母を亡くした私にとって叔母は第二の母のような存在でした。美人で聡明でしっかり者の叔母に一目惚れして婿に入ったと叔父はよく言っていました。
 そんな叔母がアルツハイマーを発症したと聞かされたのは8年程前です。訪ねていくといつもと変わらない笑顔で迎えてくれてる叔母の様子からは信じがたいものがありました。薬を服用しながら、週二回家族の送り迎えでプールに通い、大好きなさだまさしのコンサートに行き、年に2〜3回の家族旅行も楽しんでいました。出来る限り在宅での介護を希望した家族の理解と努力、周囲の協力、制度の有効利用等で頑張っていました。そんな叔母でしたが徐々にレベルは下がって行き、要介護3になったと聞いてからあっという間に要介護5になり、在宅での介護が困難になってしまい特養に入所しました。住まいに近い施設でもあり、ほぼ毎日家族の誰かが顔を見せに行っているそうです。叔父の話しによると、たまにしか面会にくる人がいない入所者が大多数で中には誰も面会に来ない方もいるそうです。叔母のように恵まれた人はほんの一握りで大多数はそうではないという現実があるようです。そこまでに到る事情は様々あるのでしょうが、そのような現実を見聞きするにつけ、成年後見制度の今後に期待するものがあります。
                 以上
                M.H

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