自然・環境学習実践隊
                               

岡崎市ホタル学校平成27年度「ホタルマスターファミリー講座」第6回を開催しました

平成27年9月27日(日)岡崎市ホタル学校にて、平成27年度「ホタルマスターファミリー講座」第6回を開催しました。

 いよいよ講座も最終回となりました。
 朝早くに雨が降っていましたが、皆さんの行いが良いのか、その後は雨も落ちないで、締めくくりにふさわしい活動ができました。
 今日の活動は2部構成で、午前中の第1部では、「鳥川ホタルの里」を散策し、環境教育プログラムを体験しながら、自然からの恩恵を体感しました。午後からの第2部では、これまでの活動をふり返りながら、各種環境教育プログラムの体験を通して、活動の総まとめをしました。

◎第1部:「ホタルの里を歩いて自然からの恩恵を体感しよう」
外に出て、「鳥川ホタルの里」を散策し、環境教育プログラムの体験などを通して、ゲンジボタルをはじめ多くの生き物の生息を支える自然環境に目を向け、その自然からの恩恵を感じ取ります。

◇体験 屮侫ールド・ビンゴ」
 鳥川ホタルの里を散策しながら、シートに示されたものを探します。家族で同じものを見つける「自然観察会」です。
 写真や絵、言葉などが書かれているシートを配りました。シートには、生き物や植物のほか、「きらきらするもの」や「ふしぎなもの」という言葉もあります。鳥川ホタルの里を歩きながら、このシートに示されたものを見つけて番号に丸を付け、かっこのあるものは、それがどんなものかを記入し、ビンゴがいくつできるのか楽しみながら活動します。
 外に出る準備を整えて運動場に集合します。すでにシートに示されたものを見つけている子もいますが、活動はみんながそろってホタル学校を出発したら開始です。
 5月に昆虫や植物の調査、7月には川の調査をしましたが、どちらもホタル学校の下流側での活動でした。今日は、ホタル学校の上流の方にある「白髭八柱(しらひげやはしら)神社」をゴールとして、ホタルの里を散策しながらカードに示されたものを見つけます。
 ホタル学校から出ると、皆さんすぐに何かを見つけてカードに書き込んでいました。これまでにも色んな活動をしてきたので、皆さんには自然観察力が養われていて、小さな昆虫を見つけたり、何か不思議なものを発見したりすることができるんですね。
 自然に目を向けてみると、特に珍しいものではなくても、色んな植物や昆虫たちと出会うことができます。少し進んでは立ち止まり、次から次へと何かを見つけていました。
 やっと、「平成の名水百選」に指定されている鳥川湧水群の一つである「大岩の水」に着きました。シートに示されている「つめたい水」の写真は、この湧水のことでした。流れ落ちる水は、とても冷たくきれいでした。このような湧水群に恵まれた鳥川町を流れる鳥川は、常に水質、水量が安定しているので、ゲンジボタルをはじめ多くの生き物の生息を支えていることが再認識できたのではないでしょうか。「大岩の水」の横にあるのが、シートにも示されている「馬頭観音」です。よ〜く見ると、仏様の頭のところに馬の顔が付いていましたね。
 さらに進んでいくと「トヨトミナシ」と書かれた看板がありました。道路の少し上のところに1本の木があり、この木が市指定天然記念物の「トヨトミナシ」(学名・トヨトミナシ)です。シートに示された「ふるさとの名木」はこの木のことでした。トヨトミナシは直径2.5 センチほどの小さな実を付けるヤマナシの原種ですが、強い渋みで食用には向かないそうです。この木は、幹周り4メートルに及ぶ推定樹齢300年の古木だったそうですが、昭和34(1959)年の伊勢湾台風で倒れて枯死してしまい、その後、分岐枝を植栽したところ、幹周り1.5 メートル、高さ8 メートルに成長したそうです。しかし、平成21年に台風の強風で再び倒木してしまったことから、平成22年に市は林野庁の補助事業「巨樹・古木林等保全管理推進」に応募して、県樹木医会の専門家による枝の剪定、根の保護、木起こし、鉄製の支柱の設置などの治療を施し、その甲斐あって現在は元気な姿を見せてくれています。小さな果実が実っていたので、この先もずっと元気でいてほしいですね。
 なかなか進んでいけないので、ここからは少し足早に移動するようにお願いしましたが、皆さんは色んなものが気になるようで、足を止めては観察していました。
自然の中は全く同じものはありません。だからこそ、魅力的であり不思議であり、常に発見や新しい出会いがあるので、皆さんの足も動かなくなってしまうんですね。
 道中には、「ススキ」があったり、「ヒガンバナ」や「ヤマハギ」がたくさん咲いていたり、「クリ」の毬や色づいた葉が落ちていたりして、「秋」を感じることができました。また、里地の原風景を感じ、何となく落ち着いた気持ちになり、懐かしい気もしました。
 やっとゴール地点の「白髭八柱神社」に到着しました。小さな神社ですが、その境内には大きな「クスノキ」と「スギ」があり、その姿はとても力強く生命力を感じることができます。また、長年人々の暮らしとゲンジボタルの生息を見守ってきたという歴史を感じとることができ、凛とした空気に包まれているような感じがしました。参拝した後、この境内を使って、感覚を研ぎ澄ます環境教育プログラムを体験します。

◇体験◆嵬擇慮歹亜
 聴診器で木の中から聴こえてくる音に耳を傾け、木の中で起きていること、木と周りのものとの関係などに思いを馳せることで、木への親近感を深めるとともに、木が生きていることを体感します。
 大きな木を見てどんなことを感じるでしょうか? そんな問いかけからこの活動は始まります。力強さや生命力、歴史などを感じたと思います。
 大きな木を見てどんなことを感じるでしょうか? そんな問いかけからこの活動は始まります。力強さや生命力、歴史などを感じたと思います。
木と話すことができたら、どんなことを語ってくれるでしょうか?そんなことを思いながら、聴診器を使って木の中から聴こえてくる音を確かめます。聴診器の使い方などの注意事項を聞き、それぞれ好きな木を選んだら活動のスタートです。
 皆さん声を出したり、音を立てたりしないように、そっと木に聴診器を当て、神経を集中して木の中から聴こえる音に思いを馳せます。「何か聴こえたような気がする」・・何人かの人が、何か言葉では表現できないような音が聴こえたようです。
 実際には、木が水を吸い上げる音などは人間の耳には聴こえないそうで、聴こえてきた音は、地面から伝わる音、枝や葉が風で揺れて出る音のようですが、木がしっかりと大地に根を降ろし、懸命に生きているということが実感できたと思います。でも、何か聴こえたと感じたことは、木も生きていることを体感できたと思います。木から皆さんへのメッセージだったかもしれませんね。
◇体験「森の美術館」
 自然の中にいると、その景色や場所、動植物などが1枚の絵のように美しく輝いている場面に出会うことがあります。そこに額縁を置くだけで、そこはギャラリーとなります。それぞれが芸術家となって作品を考え、みんなで鑑賞し自然の美しさやおもしろさを分かち合います。
 自然は、常に変化しており、色んな表情を私たちに見せてくれます。そこに額縁を置いたりかざしたりするだけで、一つの芸術作品が生まれます。それぞれ思い思いの場所を選んで、その作品のタイトルも考えましょう。境内を自由に動いて、自分の好きなものや風景などを探し、そこに額縁を当てて作品を考えます。
 時間となったところで、みんなで順番に観賞します。色んな所に額縁があり、境内はまるで芸術作品が並べられた「森の美術館」のようですね。
 色んな作品が出来ました。どれも自然の美しさや不思議さ、生きていることなどが伝わってくるものばかりです。
 自然は、食べ物や生活用品や資材など、様々なかたちで私たちの暮らしを支えるかけがえのないものです。季節の移り変わりや生き物など、自然が見せてくれる様々な姿は、時に私たちに安らぎを与え、豊かな感情や思いやりの心を育む素材にもなります。こんなことも自然からの恩恵の一つではないかと思います。皆さんも、自然からの恩恵を少なからず体感できたのではないでしょうか?
 ここでの活動は終了です。
◎第2部:「環境教育プログラム体験と活動の総まとめ」
 これまでに体験したり学んできたりしたことを思い出しながら、自然の中で暮らす生き物を題材とした環境教育プログラムを体験し、最後に活動全体のふり返りと総まとめをします。

*体験 屬弔覆り発見!生息地」
ある生き物の生息地の構成要素を考え、その構成要素のバランスが保たれていることがいかに重要か、体を使って体感します。
 第2部の体験が始まりますが、最初のうちは外で活動します。
 午前中は鳥川ホタルの里を散策し、自然からの恩恵を体感しました。ここからは、この自然の中で暮らす生き物を題材として活動していきます。
 ここ鳥川でも見られる野生の生き物である「シカ」が、自然の中で生きていくためにはどんなものが必要なのか問いかけると、子供たちから「水」、「食べ物」という答えが返ってきました。私たち人間もそうですが、どんな生き物も水や食べ物がなければ死んでしまいます。その他にも、休んだり子育てや外敵などから身を守るための「隠れ場所」も必要であり、水や食べ物を探したりする活動範囲「生活空間」もなければいけません。
 シカが生きていくために必要な4つの要素がわかりましたが、何か一つでも必要要素が欠けたら、シカの生息に影響があり、常にこの4つの要素がバランス良くそろっていることが大切です。では、バランスよくというのはどんな状態なのか、皆さん自身の体を使って確かめてもらいます。まず、数が均等になるように4つの要素に分かれ、運動場に並んで輪を作ります。輪が出来ました。でも、数のバランスは整っていても、これだけでは4つの要素バランスが保たれているとは実感することができません。みんな同じ方向を向き、前の人の肩に手を置き、肘が自分の体に付くぐらいまで間隔を詰めます。
 次に、合図に合わせて膝を曲げながら後ろの人の膝上あたりに腰を下ろします。小さい子もいるし、要領を得ていないので1回目ではうまくいきませんでした。もう一度合図に合わせて挑戦してみたところ、何とか腰を下ろすことができました。これで終わりではなく、ここからが本番です。次の合図で両手を上げてみました。1年生の子から、少し?重そうなお父さんまでいますが、意外と簡単に両手を上げることができ、人間椅子は崩れることなく成功しました。力が分散されることで、さほど重さを感じないんですね。この状態こそ、シカの生息に必要な要素がバランス良く整っているのと同じと言えます。
 自然界では、雨が少なくて干ばつが起こり、水や食べ物が簡単に手に入らなくなったり、土砂崩れや人間の開発などで、隠れ場所がなくなるだけでなく、時には生活空間自体がなくなってしまうことがあります。そこで、必要要素の数を少し減らすとどうなるのか試してみました。少しだけ数を減らしても人間椅子は崩れることはありませんでしたが、さらに減らすと、崩れなくてもバランスが良いとは思えない状態となりました。
必要要素のバランスが崩れたり、たとえ一つの要素でも量が減少してしまうと、野生動物の生息に影響が現れます。そんなことが、この体験を通して理解できたことと思います。
◇体験◆屮ー・ディア!」
ある生き物と生息地の3つの要素になって、その生き物の生き残りを体験します。
 この前の体験では、シカの生息に必要な要素とそのバランスについて、皆さんの体を使って考えました。シカが生きていく上で、たとえ生息条件の整った場所にシカがいたとしても、水や食べ物、隠れ場所などは、シカ自らが探さなければなりません。そこで、今度は、シカとその生息地の必要要素の水・食べ物・隠れ場所になって、シカの生き残りについて体を使って体験します。
まず、必要要素それぞれを体で表すとどうなるのか、皆さんに考えてもらいました。「食べ物」は、お腹がすいたということで、両手をおへその辺りに当てる。「水」は喉が渇いた時に必要なので、ジョッキで何かを飲むような格好をする。「隠れ場所」は、家を表すように両手を頭の上で屋根のようにするというように決まりました。続いて、シカ役の5人を選びました。
 この活動は、シカと必要要素に分かれ、笛の合図に合わせて、シカは今自分が必要だと思うもの(水・食べ物・隠れ場所)のポーズをとり、必要要素の人も今自分が思ったもののポーズをとります。次の笛で、シカは走って自分が必要(同じポーズ)な要素を取りに行き、要素が見つかったシカは元の場所に要素を持って(連れて)戻ります。次の回(年)には、持ち帰られた要素もシカとなり、1回目と同じように合図に合わせてポーズをとり、必要要素を取りに行きます。必要要素が見つからなかったシカは死んでしまい、1回休む(1年経過する)ことで、分解されて自然に還り必要要素になります。これを何回か(何年か)行い、シカの数の変化を記録していきます。
 何回かすると、シカの数に比べ必要要素が少なくなり、死んでしまうシカがありました。また、時には必要要素の一つがなくなる、そろっていても数が少なくなるという現象もありました。
 10回(10年)行ったところで、シカの生息数を確認してみましたが、最初5匹だったシカは、一番多い時には17匹まで増えましたが、次の年にはかなり減ってしまいました。時には2匹となり、あやうく絶滅してしまう恐れがありました。この結果からみると、シカの数が増えると必要要素がたくさんいるため、それを得られなかったシカは死んでしまったり、数が少なくても必要要素のバランスが悪くなるとシカの生息にも影響があることが分かりました。
◇体験「みんなの清流」
様々な人間の土地利用活動が、ホタルが生息する清流に与える影響を検討して、水辺に対する悪影響を最小限に抑える手段を考えます。
 この川には「ゲンジボタル」が、湿地には「ヘイケボタル」、池には「カエル」や「トンボ」がたくさん生息していますが、皆さんにこの地域の開発を考えてもらうことになったという設定です。化学工場などの建設物全てを川の絵の用紙に配置していきますが、ゲンジボタルなどの生き物を守ることも考え、そのために必要だと思うものは絵を描いて表現します。この活動は、2家族でグループに分かれて取り組み、意見を出し合いながら、どこに何を配置するのか、ゲンジボタルなどへの影響をどのように抑えるのかも考えていきます。
 時間となったところで、どんな街ができ上がったのか順に発表してもらいましたが、どのグループも、ゲンジボタルをはじめとする生き物の生息への影響を抑えるため、色んな考えを盛り込んでいました。これは、ゲンジボタルを通して身近な自然に目を向け、その自然への理解を深められているからこそだと思います。
 どのグループも子供たちが堂々と自分たちの考えを紹介してくれましたが、こんなことからも、この講座を通して子供たちが着実に成長していることが実感できました。
体験ぁ屮侫ールドポエム」
少し仕掛けのある詩作りをグループで行い、これまでの体験を分かち合います。
 いよいよ最後の体験です。これまでの活動を思い出しながら、ホタルや自然に関する詩作りに挑戦します。
 グループ内で順番を決め、まず最初の人がホタルや自然に対する気持ちなどを書き込みます。続いて、2番目の人が最初の人の書いた言葉を見て、それに繋がるように自分の気持ちなどを書き、最初の人の枠を見えないように裏に折り返します。3番目の人は、2番目の人の言葉を見て、それに繋がる言葉を書き、2番目の人の枠を見えないようにします。このように、後から書く人は直前の人の言葉しか分からないようにして、最後の人まで続けて完成となります。
 この「フォールドポエム」は、最初の言葉でその続きが大きく左右されます。前の人の言葉を見て、ホタルへの思い、自然に対する気持ちなど、深く考えずに自分が感じたままに表現してもらえば、きっと素敵な詩ができ上がるはずです。
 時間となったところで、何組かに紹介してもらいましたが、どのグループも、ホタルや自然への思いを託した素敵な詩ができあがっていました。
 自然と生き物、そして私たちの暮らしが共生するということが、どの作品からも伝わってきて、ホタルマスターファミリー講座の締めくくりとして、とても良い活動ができたと思います。
 平成27年度ホタルマスターファミリー講座は、予定通り全ての活動を行うことができました。また、怪我や事故もなく無事に終えることができました。
幼稚園児、小学生、中学生、そして大人の方が参加しており、小さな子でも理解でき、高学年や大人でも勉強になるというように、また、継続参加の家族が何組かいるので、前年度とは少し違うような展開に努めました。皆さん最後まで真剣に取り組み、常に笑顔が溢れる明るい雰囲気だったので、とても良い活動ができたと思います。
 講座は終了しましたが、家族そろって自然に目を向け、その自然から多くのことを学び、発見や感動を分かち合ったことは、皆さん、特に子供たちの成長に必ずプラスになると思います。また、家族の楽しい思い出にもなったことと思います。
これからも、自然を愛し、人を愛する優しい心で、家族の絆を深めていってもらいたいと思います。
皆さん! 半年間ありがとうございました。

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