鳩まめ倶楽部

東大阪「万葉植物探訪」

 奈良時代の天皇から一般の人びとまでの歌を集めた万葉集。       

 これに歌われた植物を万葉植物と呼んでいます。

 鑑賞用から実用的なもの、現在では雑草とされるものまで様々。

 私たちが住む東大阪でも見られる万葉植物をご紹介します。
 
花の名のひらがなは万葉名、カタカナは現代名です。<レポート:酒野>

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http://www.do-natteruno.com/con_c/c165/c165.html
                                       



 センダンの古名は、あふち(楝)です。落葉する高木で、暖かい地方に自生し、大木になることもあります。

 樹形や小さい葉の姿も魅力的で人家や学校に植えられます。5、6月に淡青紫色の小花が集まって咲く姿は美しいものです。
    万葉の恋の歌

 この作者不詳の歌は、一転して明るい恋の歌です。「夏になったけれど、あふちの花は散り去らずに、このままあってくれるかなあ・・・」と、人を恋しく思う心をあふちの花に託しています。このときは艶やかで魅力的なあふちの花を詠っています。
 やまのうえのおくら)の挽歌

 「妻の見たあふちの花はもう散ってしまいそうだ。妻を失って、わたくしの泣く涙はまだ乾きもしないのに・・・」と、山上憶良は悲しみをあふちの花に託して詠っています。妻を亡くした大伴旅人の気持ちになって詠んだものといわれています。このときのあふちの花は、美しいけれど寂しげに見えます。

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