鳩まめ倶楽部

東大阪『万葉植物探訪』その一

    奈良時代の天皇から一般の人びとまでの歌を集めた万葉集。
      これに歌われた植物を万葉植物と呼んでいます。
     
    鑑賞のための花から実用的な植物、現在では雑草とされて
    いるものまでさまざまです。
     
    私たちが住む東大阪でも見られる万葉植物を順にご紹介し
    ます。
    一般に“萬葉集”の文字を使いますが、ここでは万葉集で
    記します。
        
    (花の名のひらがなは万葉名、カタカナは現代名です。)
                   
                
             第一回目は
             
                
          - はぎ(ハギ) マメ科 -


                  酒野晶子(鳩まめ倶楽部)

 
   

[万葉集に一番多く登場する花] 

 早咲きの萩が咲き始めました。万葉集の中によまれた植物の中で萩は141首あり、花としては最も多い植物です。 萩には多くの種類があり、紅、白さまざまですが、歌われているのは山に自生しているヤマハギと考えられています。 決して華やかではない花で、私たちの感覚では意外に思われますが、万葉人にとっては花見に出かける花であったのです。

 

 「秋の野に咲きたる花を
指折りかき数ふれば七種の花」

 「秋風は涼しくなりぬ馬並めていざ野に行かな萩が花見に」http://www.do-natteruno.com/con_c/c11/c11.html
[かの山上憶良も愛した花]

 “秋の七草”を詠んだ山上憶良(やまのうえのおくら)も、「萩の花、尾花、葛花、撫子の花・・・」と、その筆頭に萩をもってきています。当時の人びとは萩を身近で好もしくみていたようで、早萩、萩の古枝、花散る萩、黄色くなった下葉、枝を髪に飾る、家の庭に植えた萩などとさまざまに歌われています。 

 













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