協働ステーション中央

【開催報告】中央区の現在(いま)を語る交流会ーよりよい地域づくりのために、それぞれができることを考えるー

中央区は良き伝統を残しつつも、近年新しい住民が増えています。また、コロナ禍で生活様式やまちもめまぐるしく変化し、さまざまな課題が顕在化しています。今回は、中央区をより良くするために活動する団体等が捉える区の課題や、活動を通じて得られた住民ニーズなどを共有する交流会を開催しました。解決すべき区の課題とそれぞれが持つ力で何ができるかをワールドカフェ形式で意見を出し合いました。

中央区の社会課題の解決手段として、中央区では協働事業提案制度を取り入れています。これまでの協働事業の事例を知った後は、中央区に潜在する課題を捉える導入トークとしてゲストを招きました。
まずは日本橋中洲町会のキャラクターごのちゃんの衣装で登場した、みんなの日本橋プロジェクト代表 高木氏。中央区が東京都23区の歳入ランキングが千代田区に次いで2位であるという報告を受け、経済的優位性が区民の生活の幸せにつながっているか。区民、NPO、行政、町会などの垣根を超えて、協力し合うことで幅広い支援が可能ではないか、ということを投げかけました。
続いてのゲストトークは、地域住民のパトロールで子どもを見守る「ランPAT2.0」が協働事業制度に採択されている、NPO法人センター・オブ・ジ・アーツ代表 白井氏。アートを通じて子どもたちが夢を描き成長していくことをめざす当団体。多様な人材が集まる中央区で事業を推進してきたことによってイベントや広報、子どもたちのアートの発表の場や形態、関係人口に広がりを持つことができたといいます。「ランPAT2.0」事業でも子育て世代のPTA、町会とも連携し、パトロールの必要なエリアをヒアリングすることで的確な情報をもとに見守りができたといいます。他団体との共同による成果の事例から、協働の意義を伝えていただきました。
中央区の課題解決の実態を参考に、実際に各テーブルで中央区の現在を考えてみます。ワールドカフェ1ランド目のテーマは「自団体が考える社会課題」。主に中央区で活動する参加者同士、各々の事業を一心にテーブルのメンバーに伝えていきます。タワーマンションの増設で転入者が続々と増え、住民同士のコミュニケーションが取れていない、年齢の格差から中々交わる機会がない、NPO関連以外の人のボランティアの参加が少ない、子供や高齢者、外国人、障害者、様々な要配慮者に対して生活の質を高める必要がある、など団体の数だけ課題が浮き彫りになりました。
2ラウンド目はテーブルのメンバーをランダムに入れ替え、1ラウンド目で出た課題から1つを取り上げて深掘りをしていきます。なぜその問題が起こるのか?背景は何か?自分が捉える課題と関係性があるか?自団体のリソースを使って寄与することができるか?他の参加者の団体のリソースと組み合わせることで解決の糸口が見つかるのではないのか?
テーブルの模造紙にそれぞれの関係性や1ラウンド目で出たリソースが書かれ、課題の根底に潜む問題発掘を行っているテーブルが多くありました。
3ラウンド目は深堀りした課題の解決策を考えてみます。自団体のリソースが光るテーマですが、ここまで話してきた参加者は、すでに自団体のみで解決しようということに囚われていませんでした。例えば、新旧住民や年代の隔たりをなくしたコミュニケーション創出の場としてのお祭り。情報発信のツールとしてデジタルとアナログを融合した広報やコンテンツを持ちかけてみたらどうか。また、交流の場として立ち寄れる居場所をつくり、そこに相談やサービスなど他のリソースを持った団体も入り混じることで、悩みの収集・解決の可能性を広げることができるのではないかなど、意見が飛び交いました。
最後は各テーブルごとに、課題に対して出た解決策の発表です。あるテーブルではPTAが必要かという風潮に対して、PTAというコミュニティをきっかけに多様なコミュニティ創出のきっかけになるのではという意見を発表しました。その流れから、1つのコミュニティに止まらない、垣根を越えた体験をテーブルメンバーで実践していました!写真は、場を共有し時間を共有する手法としてアートを取り入れ、この時間このメンバーでなければ生まれないアートを作ったとのことです。交流の場をどう捉えるかを考えた時、このような手法が1つの手段になるかもしれません。
それぞれの課題の根源を見直してみると、コミュニティの希薄化、孤立化、新旧住民の隔たりという中央区の課題が浮き彫りになりました。それに対して交流の方法を考えることはできるが、解決策を打ち出すことは簡単ではなく、息詰まってしまったところもあるという感想も出ました。個々の意識、基本の挨拶から生まれるコミュニケーションはいつになっても大事だと気付かされるという意見もありました。
最後に協働ステーション中央の統括責任者 杉原からもコメント。なんと、今回でた課題について、2015年に行った第50回十思カフェ「みんなで考える、まちのこれから」で出た課題とほぼ変わらないということがわかったのです。課題はより深刻化する中で、発信し続けること、動き続けることが大切だということを話しました。協ステも団体がつながり考える場所の提供や、何ができるかを考えていかなければなりません。
今回の交流会は28名という多くの方と団体に参加していただきました。受益者側からの目線で自団体の事業を見る機会にもなった、他の団体と繋がれて一緒に何かやってみたいと思う良い機会になったという声を多くいただきました。ただ、このまま課題感を持つもの同士で話し合うだけではなく、次にどうつなげるかという意識をみなさんが持っていました。
最後は皆さんと次に会う約束を交わしながら閉会となりました。
前のページへ戻る