協働ステーション中央

【開催報告】企業人材と NPO の協働プロジェクトに学ぶ 人材・ノウハウを相互活用する意義〜十思カフェvol,117

働き方が一気に多様化した今日。人生 100 年時代を見据え、本業を持ちながら別の組織で活動することは選択肢の一 つになり、その機会が求められています。今回は社会人のパラレルキャリアを応援し、共感するNPOと社会人の共創により課題解決を図る「NPO 法人二枚目の名刺」をゲストに迎え、人材と機会のマッチングによる相乗効果や外部のノウハウを活用する意 義を探ります。

ゲストは当団体サポートプロジェクト・デザイナーの安藤輝人さんと岡昭宏さん。当団体では、副業という選択肢が少なかった当初、社会人が本業とは別に2枚目の名刺を持つことで、社会に対して当事者としてこれまでと違う関わりをもち変化を仕掛けることビジョンに2009年に設立しました。当団体への参加を通じて社会・社会人・組織の変化を同時に実現することを目指しています。現在、安藤さんは本業で勤務をしながら、岡さんは他2つの団体に参加しながら、「二枚目の名刺」で活動しています。
当団体ではまず、Common RoomにてNPO団体側が思いを語り、それに共感した社会人たちとともにサポートプロジェクトが始動します。約3ヶ月という短期間で団体が抱える課題を一緒に考えていくなかで、団体側は社会人の賛同や意見で新たな気づきや意識の変化が起こり、社会人側もそこでの気づきを本業へ持ち帰ることができます。
社会人は年齢、職種、参加する動機も様々です。自身のスキルを試すことが最重要ではありません。
サポートプロジェクト・デザイナーは団体と社会人の協働プロジェクトの中で伴走して、各プロジェクト内で全体をまとめて調整したり、議論が滞ればヒントを与えてさらなる展開を起こしてあげたりする役割です。
安藤「私たちは解決するためのプロボノではない。思いの共感があるからこそ、それを推進力に、実際に手を動かしてみることで気づきへ発展していくことが大事です。“社会を変える”ことに正解はありません。一つ一つの行動を積み重ね、やりきることを大切にしています。」
安藤さんと岡さん自身も、初めは社会人側としてプロジェクトに参加したことをきっかけに、現在のデザイナーとして参画するようになりました。安藤「私は社会人になって何年かしてから、このままでいいのかな?と思うようになり、先輩からの誘いで、パラスポーツを広めていくことをテーマとしたCommon Roomに参加しました。そこで発表していたセーリング選手の『セーリングというスポーツでは障がい者も健常者も同じフィールドで戦えるスポーツ。海の上では平等だ。』という言葉に“共感”し、サポートプロジェクトに参加して、月に1回セーリング体験会のボランティアを実施しました。
“思い”“共感”をベースに動いているので、団体がもつ課題に対してより当事者意識をもって対峙できると実感しました。プロジェクトを“支援している”だけではなく、社会人も成長を“支援されている”と感じました。」
岡「私は50代になって第2の人生として好きなことをしようと思い、NPO法人BAJ(ブリッジエーシアジャパン)で活動をはじめました。そこでBAJがファンを増やすという課題のもと、団体側としてサポートプロジェクトに参加しました。その中では、社会人たちが同じ思いで仲間として心の支えになりましたし、その真剣さに感銘を受けました。何より、団体にとって外側からの刺激は大きく、課題のために団体に不足している知識や考え方を学ぶ機会になりました。初めは失敗するかもという思いもありましたが、それでもやってみたいと思ったのです。
また、対等な関係でプロジェクトに関わることを心がけました。柔軟な意見交わされることに、新しい発想や知識を知ること、次はどんな変化が起こるだろうと楽しみになりました。“任せきり”にするのではなく、“受け入れる”ことが重要です。」
安藤「社会人側は、違いを認め合う世界を目指すことを意識して過ごすようになった、社会問題を同じ社会で起きている事実として認識することができた、行動を起こすことの大切さを実感したなど。
団体からは、外の文化に触れられた有意義な時間だった、短期集中と目的意識をもって取り組むことの重要性を感じた、外部からの指摘で団体メンバーの主体性について改めて考えさせられた、など団体側からも刺激と変化の声をいただいています。」
社会人、団体それぞれを経験した視点でのお話から、共感し、対等な立場で関わることが協働推進のポイントであるとわかりました。社会人と団体を“接着剤”として共感と丁寧なコミュニケーションでつなぐからこそ、双方にメリットが生まれます。また団体は単なる社会人の受け皿ではありませんが、共に社会課題に取り組む機会提供ができるのです。
全体でNPO団体側はどのくらいコミットするのでしょうか?普段の活動の中ではなかなか時間を割くことが難しいのでは?
岡「当団体へ参加前に、事前に団体と何度か打合せさせていただき、大事にしていること、課題などを知り共感しながらコモンルームで発表してもらうことになります。」
安藤「団体側にどれくらいコミットしてほしいという制限はなく、週1回〜月1回などプロジェクトによって様々です。課題“解決”をゴールとしていないので、お互いに受け入れながら楽しみながらやっていきたいと思っています。」
他にどんな希望を思って当団体に参加してくる団体がいるのでしょうか?
安藤「自分たちが行っている事業と全く関係ない人たちの声を聞きたいという団体さんは多いですね。ある団体さんでは、9割が60代という中で内輪で話し合って発信しているだけでは良くない、若い人の声を聞く必要がある、という思いで当団体に参加していただいたことがありました。」
岡「当団体をプロボノとして訪れてくれる団体さんが多いので、まずはみんなで一緒に考えていく場なのだ、それが必要だということ知ってもらうことが第一歩です。」
“思い”“共感”が行動を生み、社会人と団体が相互に、そして社会に変化を生む。「二枚目の名刺」の協働プロジェクトに今後もご注目ください。
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